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サックス 敦

*今日のつぶやき*(1/18) ブログもすっかり放置気味になってしまったなぁ 敦

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いのちの水

『大空のサムライ』(坂井三郎著)を読んだ。
零戦パイロットだった坂井氏の体験談。登場する方々はみな、その時その場所に実際に居た!でも、もう居ない…。

ある日、硫黄島にて坂井氏が日頃から可愛がっていた飛行兵が、敵の爆撃により右足を付け根から飛ばされ
内臓がはみ出し、すでに手の施しようもない状態。そして水を飲みたいという。以下、坂井氏と軍医長とのやりとり。

   ― 軍医長、水を欲しがっているのですが…。
   ― そりゃいかん、いま水をやったら、すぐ死んでしまうよ。
   ― それでは、この人間は助かる見込みがあるのですか。助かるんなら、すぐ手当をしてください。
   ― うーむ…、これでは手当のしようがない。まず助かりません。
   ― それなら水を飲ましてやって下さい…。
   ― そんなことは、軍医官としてゆるせんね。
   ― そうですか、そんならあんたは向こうへいってください。どうせ死ぬのなら、私が水をやります。

原爆投下時も多くの人が水を求めて川で亡くなったと聞くし、水をやりたくてもやれなかった人達は当時を辛く振り返る。
救いたいがために水を与えない。いや救いたいからこそ水を与える。いちばん尊重すべきものは一体何だろう。
どちらを選んだとしても、その一瞬の判断を一生後悔しながら生きていくことになりそうな…
坂井氏が水をやると、その方はああ、うまい、と満足そうに何度か小さくつぶやいて亡くなった。18、9の少年だったそうだ。

ところで、どうして水を飲むと死んでしまうんだろう?
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