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サックス 敦

*今日のつぶやき*(1/6) 部屋で育てているギンモクセイが開花中で、香りに癒されています 敦

吾輩は思索の途中である。出口はまだ無い。

油絵は色を重ねることによって下に塗られた色を塗りつぶせるけど、音楽は下の色(音)をかき消すことなく重なり交わっていくという点からいえば透き通った色であり、油彩よりは水彩画に近いのかな?あえて油絵的な演奏をする場合もあるだろうけど。ちなみに私は「絵画」より「動画」をイメージします。

また、音程は西洋音階では12音だけど、12色だけということではなく1/2音程、1/4音程と無限にあり、音高、音量、音質、音価などの要素によっても色の濃淡にバリエーションが。和音で響かせれば新色が発生するかも。先に頭の中で絵画なり映像なりを描いてから演奏したら、今までと違うアプローチができるかな?あるいは違う曲なのに同じ映像をイメージさせるようなものも探していったら面白そう。ただし、どんな美しい音も醜い音も、時間が経てば消えてしまう点が絵画とは決定的に違う。

オーケストラ指揮者のダニエル・バレンボイム(Daniel Barenboim)は、音を色で連想したり音価をコントロールすることによって、本来は物質的な存在を持たない「音」を物質化できる、と言っていて面白い。
数学者に言わせると、数字に色をイメージする人も多く、また音楽の曲の構成は非常に数学的であると。ある実験によれば音楽を聴く時と数式を解く時の脳の働く部位が同じで、幼少時に楽器を始めた子は脳の発達が早く、数学も得意であることが多い、という結果が出たと。数学を「抽象的パターンを表現するための的確な言葉を探す学問」と定義するなら、音楽はまずテーマがあって、そのテーマをスムーズに導き出す作業を一定の規則に従って論理的に行っていると。そして音楽とは時間の経過に伴い変化してゆくパターンの集合であると。

となると数字→色→音という連鎖でもって数字から音をイメージできなくもないだろう。数式をみたらメロディが浮かぶってこともありそう。電話番号を覚える時、その数列固有のメロディを連想、そんな人も多いのでは?
音を色や数字に置換えるのが音の具象化・物質化だとすると、逆に抽象化・精神化だってできないか?たとえば嬉しい音、怖い音にはじまり、胃が痛くなる音、頭痛や癌を癒す音なんかもあるかも…音楽の可能性は果てしない。

実際、画家の中には視覚が心理に及ぼす影響を研究して作品に反映する試みをしている人もいて、例えば私の好きなKandinskyはまさしくそう。いわゆる現代音楽の作曲はこういう理論先行の実験的な試みも含んでいたりする?でも特殊な目的のある人を除けば、理屈なしに本能と心で感じて楽しむのが音楽との一番の付き合い方だろうな…。

最近自分の好みが変わった。好みが変わるというのは成長の証で良いことだと思う。
今まで「無」と思っていたスペースにも何かの存在を感じられるようになった。
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