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サックス 敦

*今日のつぶやき*(1/6) 部屋で育てているギンモクセイが開花中で、香りに癒されています 敦

音律とは。

音律とは、『音楽に使われるすべての音の音高関係を、一定の原理に従って厳密に決定したもの。時代や民族によって様々な方法がある。ヨーロッパ音楽で用いられる主なものには、ピタゴラス音律、純正律、中全音律、平均律などがある。』 - 大辞林
やばい。ハマッてしまった。前々回、音楽と数学の関連について触れたため、いまさらながら調律の仕方、すなわち音律のことを考えずにいられなくなった。つまり各音律の聴感上の差である。同じ曲が音律でどう変わるか。今まで全く気にとめていなかった。実はそれぞれ一長一短あり、私のように平均律(ピアノのピッチ)に慣れて絶対音感を持った人間には他のピッチが新鮮だが、平均律のほうが気持ちイイとは限らない。また、サックスを始めた時点で自分でも気づかぬうちに他の音律をも利用していることに気づき、大カルチャーショックである。この世界を広げるとまたまた音に対する新たなイメージ効果を引き出せるかも。意識上で判別できるほどの差にはならぬとしても、音に対する抽象的なイメージにはかなり影響を及ぼす違いになると思われる(単音とスケールでは、同音でも感じる色が変わるとか)。平均律しか知らないなんてもったいない。今の時点ではまだ音律システムを理解してないので、自分なりの音楽への応用アイデアなどをまとめるべく、しばし勉強したい。

こないだ、GaijinJunkのライブの時、ベーシストが全ての弦をキーボードに発音させて調弦してるのを見て思ったんだけど、ギターの調弦時、もしチューナーで1弦づつ個別に調弦したらそれは平均律だよね。でも通常は5度音程で耳であわせると思うし、これはピタゴラス音律と言えるわけだよね。バイオリンもピタゴラス音律と。たまにギターとキーボードのチューニングのずれが気になる事があるんだけど(時たま不協和を感じる)、ピタゴラスのギターと平均律のキーボードだったとすれば避けられないことなのかもしれない、ということが1つ見えてしまった。そして、キーによってイメージが違うのは、単なる妄想ではなく実はまさしく数学的に科学的に違いがあったのだ、ということも音律を学んでいけば見えてしまうのだ。さぁ、あなたも私と一緒に底なし沼へハマってみませんか。というわけで、ここから先は各ピッチに対する説明(というか個人的な勉強メモ)がひたすら続く(適宜、加筆修正中)ので、この話題に興味のある方のみドゾ。

♪♪♪勉強メモ♪♪♪
from BBC-Radio4
西洋音階では1オクターブ12音だが、古代中国では53音あるという。日本人が英語のRとLの発音区別が分かりづらいのと一緒で、文化によっては他の文化が聞き分けづらい音をハッキリと別音程として認識しているわけだ。数学と音楽を最初に結びつけたのはギリシャ人であろう。

数学者の話。音叉(made of metal)から発せられる周波数はA=440Hz。なぜこれが重要な音かというと、この音が最も純粋な音であり、他の物音にはすべてこの周波数が含まれるという。つまり他の物音は他の周波数を440Hzを掛け合わせた、いわば濁った音。18世紀の数学者フーリエ(Jean Baptiste Joseph Fourier、仏)は、水が2つの水素原子と1つの酸素原子に分解できるのと同様に、音も周波数によって分解できるとした。つまり440Hz=Aの音叉の音は純粋な正弦波(sine wave)を描く純粋な音だが、より複雑な音は異なる周波数を同時に鳴らせば再現できるという。たとえばバイオリンの音などは、違う周波数をもつ複数の特定の音叉を同時に鳴らすことにより再現できる。同様に、我々の声もコンピュータを使えば複数の周波数に分解することができる。

ドミソ、ドファラ、シレソは美しく響く和音となり、レファラが調子っぱずれになってしまう音律はどれ?(この先まだ聞取り途中)

ピタゴラス音律
ピタゴラスは、この世のすべての物事を量で表そうとした。音楽のインターバルを数値化する。ピタゴラスは鍛冶場を通り過ぎたときにハンマーの音を聞いて気づく。2本のハンマーの重さの比率が2:1のとき、この2本が出す音の高さの違いは1オクターブだった。同様にハンマーの重さの比率が3:2=完全5度、4:3=4度。このようにハンマーの重さとインターバルの関係を発見した。ここで完全5度と4度を合わせるとオクターブとなる。例えば完全5度音程(C-G)、4度音程(G-C)を合わせるとC-Cとなりオクターブ関係が生まれる。なぜ完全5度に4度を合わせるとオクターブができるのかを数式で表すと、
完全5度=3:2=3/2 (three to two)
4度=4:3=4/3 (four to three)
この二つを掛け合わせると3/2×4/3=2/1となり、オクターブ=2/1=2:1 (two to one)

このようにインターバルは数値と比率で表せるが、ピタゴラス音律には欠陥がある。オクターブ上がる毎に周波数は倍になるので、例えば7オクターブは、2倍の2倍の2倍の…=27=128。次に5度音程で上がり(例:C→G→D→A→…)7オクターブに達するには12回かかる。しかし3/2の12乗を計算しても128にはならず129.7である。(3/2)12 ≒ (2/1)7

音楽が発展して長3度や6度も登場し、ピタゴラス音律で長3度を表すと81:64という扱いにくい比率になる。これを計算上扱いやすい比率にするため微調整し80:64=5:4とする。同様に長6度は5:3。しかしここでも矛盾が。隣の音へ移動する場合(例:C→D)をピタゴラス音律の計算式で表すため、5度関係と4度関係の比率を使ってCからまずGへ上がってからDへ下がる方法と、4度関係と3度関係の比率を使ってCからFへ上がってからDへ下がる方法を使って計算すると、
C→G→Dの場合=3/2 ÷4/3=9/8
C→F→Dの場合=4/3 ÷6/5(←短3度の比率)=10/9
つまり、C→Dという同じ2度関係を表す結果に数値上の矛盾が生じる。これはピタゴラス音律の欠陥を示す例である。

オクターブが12音で構成される数学的理屈。半音(の周波数比)は2の12乗根(12√2)で、これを5乗すると完全五度比率の3/2(有理数でもある)に非常に近づくらしい。だから12√2を半音とするのが数学的にも自然、ということらしい…。
cf. 有理数=2つの整数a、b(ただしb≠0)をもちいてa/bという分数で表せる数のこと。
(12√2)5≒3/2=完全五度

バッハは自作の『平均律クラヴィーア曲集 (48 well-tempered klavier)』の全てを一度に演奏した(つまりキーが変わるごとにいちいち調律などしない)。従って全てのキーで正しいチューニングとなっている必要が生じた。そのため、特定のキーのみ美しく響く音律ではなく、どんなキーにおいても相対的に正しい感じで響かせるためのさまざまな音律が作られることとなった。ただし問題はハープシコードをどう調律すべきかということで、いくら理論上で1オクターブを12分割すれば良いと分かっていても、実際ハープシコードの調律作業では半音ずつ測るわけではなく、かといってまず五度関係を合致させ、次に三度、四度と探して純粋な響きを得るよう調律しようとしても最終的にはそれでは正しく調律できないので、常に妥協を強いられるわけである。
(この先まだ聞取り途中)

according to net information
ピタゴラス音律では誤差の関係で3度が不協和になってしまう。和声には向かない。このピタゴラス音律の和声上の欠陥を平均律(equal temperament)で補った。5度の音程はピタゴラス音律の方が平均律よりも美しく響くという(例:CとGを同時にならして音が全くうねらない。メロディー弾きにおいては天を突き抜けるように限りなく澄んだ明るい響きになるという。うねりが生じないから濁りがないんだろう。平均律では若干うねりが生じる)。平均律導入より前の古い曲やグレゴリオ聖歌は、平均律ではなくピタゴラス音律で聴くと格段に素晴らしいという。ピタゴラス音律においてG#とAbは違う音となる。アカペラや合奏のように、周りの音との協和を耳でその都度たしかめながら演奏する場合は、どうなんだろう?5度でハモる人は生理的にピタゴラスを採用し、3度でハモる人は平均律その他を無意識に採用してる?そう考えてくると、ピアノって実に不自由な楽器だなぁ。

音律による聴き比べのページはココ

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