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サックス 敦

*今日のつぶやき*(1/6) 部屋で育てているギンモクセイが開花中で、香りに癒されています 敦

内在の錯覚 ~seeing with mind's eye~

高校の頃、サルトルの『嘔吐』を読みかけて挫折した。でもいつかは読み終えたいと思い未だ手元にある。当時はカミュAlbert Camusの『異邦人"L'Étranger"』にも極端にハマった。あー、なんであんなに夢中になったんだろう、私の思春期っていったい…。ところでそのサルトルJean-Paul Sartreが提示した「内在の錯覚illusion d'immanance」という現象を最近知ったのでちょっとメモしとこう"L'Imaginaire"。サルトル君曰く、「パンテオン宮殿をイメージせよ。その屋根を支える柱の数を数えられるか?」つまり、しっかり覚えていると思っているものでも実際には細部まで覚えていないだろう、という話。これ聞いてハッとした。ついやってる。年中やってる。

内在の錯覚についてNicholas Cook (音楽学者) からも抜粋しとこう"Music, Imagination, and Culture"。「演奏家も生徒に教えるため自分が知っている曲を楽譜に書こうとして結局はその細部を知らぬことに気づく場合がある。曲を楽譜にしようとする時になって、音のつながり具合が判らなくなる。実際に弾くか書くかして試すと音楽的イメージが不完全であることに気づく。『何となく思い出せる気になっているが、正確で完全と思っていたものがまったく曖昧模糊としたものであることに気づくのには閉口する- by Kirkpatrick』」 (←誰だこれ(^^;)たぶんRalph Kirkpatrick。またCook君曰く、「作曲家が音楽を考えるやり方と、聴き手が音楽を経験するやり方には根本的な違いがある」。全く同感!
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