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サックス 敦

*今日のつぶやき*(1/6) 部屋で育てているギンモクセイが開花中で、香りに癒されています 敦

自分自身を「死に損ない」と言った友

ちょっとシリアスな話題だけど…。
戦争体験を語るTV番組が増えた気がする。かなり高齢になった体験者の方々が、このまま静かに人生を終えるか、いま勇気を出して語るかの決断の時期にきているのかも。どの話も、本当に重い。テレビを見る気がなかったのについつい話に引き込まれている。自分の小さな悩みなんてホントどーでも良くなる。
もちろん、戦争を語ろうと決意した人ですら、体験したことのすべてをさらけ出すことは無理だろうと思う。戦争とは、あってはいけないことが起こってしまう世界なんだということが、伝わってくるから。すべてを語りだしたら、この平和な世の中と彼等自身の存在の間につじつまが合わなくなるはずだ。だから語り始めることは本当に辛い決断に違いない。この世に地獄があるとしたら戦争もそのひとつじゃなかろうか。

今日もそんな番組(『許されなかった帰還 - 陸軍振武寮』)を見ていて、昔をちょっと思い出した。私が大学生だった頃だけど戦争体験者の方と同じクラスになったことがある!周りに比べ当然ずばぬけて年長だけど非常にバイタリティのある方で、むしろ若者よりも元気に明るく活動されておられた。あるとき、食堂で我々と話をしていたとき誰かが戦争の話を始めた。私は横でぼーっと聞いていたんだけど、やがて彼は「自分だけが生き残ってしまった、死んでいった仲間に申し訳ない」と言って、突然笑った…? のかと思って彼の顔を見たら違った。泣いてた。ボロボロと…。その場に居た私達は言葉を失った。一緒に泣き出した子もいた。私には彼のその言葉の意味がすぐには理解できなかったし、元気な人が目の前でもろく崩れている様子がショックだったし、彼の念の強さに打たれ、ただ唖然とするばかりだった。どうして生きていることが申し訳ない、そんな気持ちが有り得るのか、私にはまだまだ想像できない。でもこうしたTV番組を通して、あのときの彼の感情が、言葉が、少しずつではあるが私にも分かり始めているかもしれない。
戦争ってそういうモノだ。お年寄りはホントに大切にしなきゃ。そしていま戦争をしている国は、自らの愚かさにまだ気づいていないんだよ、今すぐやめてけれ。

番組でのインタビューより:  『特攻に対する思いや考え方というのは一人ひとり全部違います。でも、「こんな馬鹿げたことは、もう二度とゴメンだ。」というのが、生き残った者も亡くなった者も誰しもが持っている思いだと思いますよ。戦争に往ったのはみんな、ホントに普通の若者だったわけです。今の若者と大して変わらないでしょう。もし再び戦争が起こったら、今の若者達も恐らく同じように…』

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